むし歯の治療について
歯科医師の松浦です。今日はむし歯の治療についてお話します。
軽度のむし歯(C0程度)であれば自然治癒(再石灰化)することもありますが、一定水準以上まで進行したむし歯により失われた歯の構造は再生しません。
むし歯は進行度によって分類されています。C0からC2程度のむし歯ではむし歯菌に感染した歯質を削って、材料で詰めて形を修復します。(修復処置)
むし歯菌が歯の神経(歯髄)に及んでいる場合(C3からC4)には、歯の神経に対する処置(根管治療)を行った後に歯の形の修復(修復処置または歯冠補綴処置)が行われます。
今日は比較的軽いC0からC2までの歯の神経までむし歯菌が感染していない場合の治療について説明したいと思います。
むし歯の種類(C0からC2)
C0
エナメル質にむし歯の穴がなく、白濁、白い模様、着色があるむし歯。
予防・治療:口の中のお掃除や食習慣に関してアドバイスを行うとともに、3~6か月の間隔で定期的に経過観察をしていくことをオススメします!必要に応じてフッ化物塗布などを行います。
C1
歯の表面のエナメル質にだけ小さなむし歯の穴があるむし歯。
予防・治療
むし歯の穴がほんのわずかであればシーラントなどで穴を埋めます。
むし歯の穴が明らかな場合はむし歯菌に感染した歯質を取った後、むし歯の範囲や部位に応じた適切な材料を使って修復します。
C2
むし歯菌がエナメル質より深く象牙質まで進行しているが歯の神経までは達していないむし歯。
治療:むし歯菌に感染した歯質を取った後、むし歯の範囲や部位に応じた適切な材料を使って修復します。
むし歯の治療
充填(コンポジットレジン修復など)
むし歯菌に感染した歯質を削ったところに合成樹脂(レジン)と無機フィラーとの複合材料であるコンポジットレジンという材料を詰めて治します。
↑むし歯がある状態 ↑むし歯を削ります ↑キレイに削りました
↑レジンを詰めていきます ↑光を当てて固めてから形を整えて完了です
インレー修復
むし歯菌に感染した歯質を削ったあとの穴にピッタリはまる修復物(インレー)を作り(削った穴の型をとり、石こうの模型にして口の外で作る)、その修復物(インレー)を削った穴に接着剤でくっつける。
↑むし歯がある状態 ↑むし歯を削ります ↑キレイに削りました
↑削った穴に合った修復物(インレー)を接着剤でくっつけて完了です!
フッ化物塗布
むし歯の予防方法の1つです。フッ素化合物を歯面に塗ると下記の作用があり、むし歯予防に効果がある。
1.唾液中に含まれるミネラルの沈着を促進し、再石灰化を助ける。
2.歯の質を強化し、酸から歯を溶けにくくする。
3.酸の生成を抑える。
シーラント
奥歯の小さな溝や穴に薄い膜を作ることで、この膜で食べかすや歯垢が蓄積することを防ぐ方法。
↑奥歯の溝に食べかすが… ↑シーラントで溝を埋めて食べかすや歯垢が詰まるのを予防します。
C0からC2のむし歯の治療はこのような感じになります。
C3からは神経の治療が必要になってきます!むし歯になってしまってからでは大変なので出来ればむし歯にならないよう3から6か月の間隔で定期的に検診をされることをオススメします!