みなさん、こんにちは。歯科衛生士の針生です。
今年は残暑が厳しくて、まだまだ暑さを感じています。
季節の変わり目なので、体調には気を付けて過ごしましょうね。
では今日は、インプラントと入れ歯のお話です。
インプラントよりは、入れ歯の方が、どんなものかわかる!という人、いませんか?
きっと入れ歯の方がより身近、もしくは聞いた、見たことがある、という方は多いのではないでしょうか。
今すでにどちらかをお使いの方や、悩んでいる方にも、お話を聞いてみたい、と思ってもらえるような内容を今回持ってきました!
まずは、入れ歯やインプラントにどんなメリット・デメリットがあるのか、分からないと比べられないので、ひとつずつ見ていきましょう。
1.入れ歯のメリット
1)一般的な治療なので、広く知られている治療です
よく知っているということは、より身近で、作ることや作った後、自分が使っていくイメージもしやすくなり、治療方法としても選択しやすくなります。
2)保険が通るので、費用が抑えられます
3)インプラントよりは治療期間が短くなります
急いで歯が必要な方でしたら、一旦入れ歯を作ってみる、という方もいらっしゃるかもしれませんね。
2.入れ歯のデメリット
1)着けたときの違和感があります
入れ歯は、自分の根っこに被せをつけるような治療とは違って、歯と歯茎が一体になったものを、歯ぐきに乗せます。
思ったよりも、大きなものがお口に入るので、着け始めの違和感は誰もが感じると思います。
2)自分の歯と同じように噛むことができず、硬いものは噛みにくくなります
入れ歯が負担できる力は、自分の天然の歯の3分の1と言われています。
被せている歯のように、自分の歯の根っこに支えを置くことはできず、基本的に歯ぐきに乗っているだけなので、安定性もないですよね。
また、入れ歯は範囲が大きくなる程、お口の中が覆われてしまい、味や温度も感じづらくなることで、食べ物の美味しさを楽しむことも難しくなってしまうことがあります。
3)バネがかかっている歯に負担がかかります
歯ぐきの上に乗っているだけとは言っても、必ず隣の歯や反対側の歯などに対しては、バネをかけています。
入れ歯は自分で取り外せるようになっているので、バネは歯に接着しているわけではありません。
なので、バネがかかっている歯は、抱き着かれているような形になってしまい、力がかかると歯が揺さぶられてしまいます。
揺さぶられた歯は、支えている骨がダメージを受けることで減ってしまうことがあります。
バネのかかっている歯が例え健康な歯であっても、歯の寿命を縮めてしまう原因になってしまうこともあるんですね。
4)見た目が劣る
メリットで挙げた保険が通ることで、費用が抑えられることは、お費用を抑えたい方にとっては最大のメリットにもなります。
ですが、保険で作れる入れ歯は、バネが金属でできています。
前歯にバネがかかると、笑った時にバネが見えてしまうことがあるので、見た目としては劣ってしまいますね。
3.インプラントのメリット
1)自分の歯と同じような感覚で、食べ物をかむことができます
2)周りの歯を削ることがありません
3)天然歯と変わらない自然な印象に仕上がります
4)顎の骨が痩せてしまうリスクを防ぐことができます
インプラントのメリットに関しては、前回のブログで触れているので、ぜひ見てみてくださいね。
インプラントや入れ歯、それぞれにいい面も悪い面もあることがわかりました。
これからどの手段を選ぶかは、みなさんご自身で決めていくことになります。
どの手段でも、できるだけ長くお口の健康🦷が保てるようにしていきたいですね。
抜歯をして、歯がなくなってしまったところに、これから選択肢を選ぶ方は後は「納得して決めること」が大切ですが…
では今すでに入れ歯をお使いの方はどうでしょうか?
今使っている入れ歯もあるし…
インプラント考えてみてもいいけど、今入れ歯に慣れているから…
大丈夫です!
今入れ歯をお使いのみなさん、インプラントオーバーデンチャーをご存じですか?
インプラントオーバーデンチャーは、インプラント(人工歯根)を顎の骨に埋めて、インプラントで入れ歯を支える方法です。
どんなよさがあるか、ご紹介したいと思います。
4.インプラントオーバーデンチャーのメリット
1)安定感がよく、ものをしっかり噛めるようになります
顎の骨のインプラントが入れ歯を固定してくれるので、ものを食べているうちに入れ歯が外れたり、ずれたりすることがなくなります。
よく噛めるということは、ごはんを美味しく食べられるということですね。
2)ご自身での取りはずしが可能です
ごはんを食べたら歯磨きをしますね。
インプラントオーバーデンチャーは、ご自身で取り外しが可能なので、入れ歯を丸ごと洗うことができます。
お口は健康の入り口なので、常に清潔に保てるのは安心ですよね。
3)体への負担やお費用負担が軽くなる可能性があります
インプラントは外科処置が必要になります。
総入れ歯の方が失った歯の本数を補おうと思うと、インプラントを何本骨に埋めるのか、と考えてしまいますが…
インプラントオーバーデンチャーだと、最小2本、骨にインプラントを埋めるだけで、入れ歯を固定することも可能な場合があります。
何本も骨に埋めるよりも、体への負担、お費用の負担は減りますね。
インプラントオーバーデンチャーは、しっかりものを噛めるようになることがわかりましたね。
入れ歯は基本的に、歯や歯ぐきの形をしたプラスチックを、歯ぐきの上に載せている状態になっています。
自分で取り外せない被せ物より、取り外せる入れ歯は遊びもあって、動いてしまうので擦れて傷を作ったり、外れやすくなったりもします。
ですが、インプラントを骨に埋めて、入れ歯を固定するために使うと、入れ歯だけ使うよりも安定性が増して、動きにくく外れにくい入れ歯として使うことができます。
ごはんを美味しく食べられるのは、最大のメリットですよね。
ですが、インプラントオーバーデンチャーには、デメリットもあります。
5.インプラントオーバーデンチャーのデメリット
1)入れ歯の取り外しが嫌な方には向かない治療です
入れ歯を取り外せるのは、洗うことで清潔を保てるメリットでもありますが、取り外すこと自体が嫌だという方には、適さない治療になります。
2)インプラントだけで歯を作った場合よりも、噛む力は劣ります
インプラントを多数、骨に埋めて、入れ歯ではなくインプラントで歯を作っていく場合よりも、少ないインプラントで大きな入れ歯を支える方が、噛める力は少し劣ります。
同じ硬さの食べ物で比較すると、噛む力の差はありますが、それでもインプラントオーバーデンチャーの方が、少ないインプラントである分、費用も体の負担も抑えることはできます。
3)誰でもできる治療ではありません
インプラントを埋められるだけの骨が残っているのかということもポイントになります。
どなたでもすぐにインプラントを埋めて、すぐに入れ歯が使いやすくなるわけではありません。
もしご自身が適応となるのか知りたい方は、お話を聴きにきてみてくださいね。
6.まとめ
今回は入れ歯やインプラント、インプラントオーバーデンチャーのご紹介でした。
様々な治療方法があって、ひとつひとつにメリットもデメリットもあるので、しっかりご自身が納得できる治療法を探したいですね。
今回最後にご紹介したインプラントオーバーデンチャーは、総入れ歯の方で、入れ歯が外れやすい方にも適しています。
総入れ歯だと、とても自分の歯と同じようには噛むことはできませんよね。
入れ歯がパカパカ浮いてしまう方や、今よりももっとしっかり噛みたい方はいらっしゃいませんか?
自分の歯に勝るものはなくても、少しでも噛む力や見た目を回復したい方…
まだまだこれから、人生100年時代と言われる中、おいしく食べる喜びを感じたい方…
このお話で少しでも興味を持った方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度、ご相談へいらっしゃってくださいね。
お費用や治療期間、自分がインプラントに適しているのかなど、一緒にお話をして一番よい方法を見つけられたらと思います。