フッ素って本当に安全?
こんにちは!歯科衛生士のNです。
当院では、3~4ヵ月に1回を目安に口腔内をおそうじした後、お子さんを中心に
歯科医師、歯科衛生士がフッ素塗布を行っています。(大人の方でも可能です)
事前に親御さんに問診をし、法律により定められた量、濃度にそって行っていますが
親御さんの中には「フッ素って何歳からできますか?」「安全なものですか?」と
質問される方もいらっしゃいます。そんなフッ素について今回ご紹介します。
●フッ素って毒なの?
フッ素とは元素記号「F」で表される元素で、単体分子は常温の中は気体です。
空気より少し重い物質ですが、このフッ素自体はガラスやプラチナさえも
溶かしてしまい、さらに猛毒を持っています。
「フッ素は危険」というイメージは、このことから生まれたようです。
実はこのフッ素は単体で存在することができません。
複合体として、土、川、海の中に含まれ、動物、植物など地球上のありとあらゆるところに含まれており、
地球上に暮らす生物はみな、フッ素を取り込みながら生きています。
歯科の虫歯予防に使っているフッ素は、猛毒であるフッ素とは違い、フッ素をその構造内に
持つ「フッ化物」という化合物です。「フッ化物」にはフッ素ほどの毒性はありません。
さらに、「フッ化物」の使い方や、フッ素の量・濃度には法律による制限もあります。
通常、虫歯予防に使用されているレベルの「フッ化物」は、量、濃度など使用方法を
誤らなければ人体に悪影響を及ぼすことはありません。
そのため、市販販売せれておらず、使用が許可されているのは、国家資格を持つ
歯科医師、歯科衛生士のみとされています。
●何歳からした方がいいの?
歯科医院でのフッ素塗布を始めるタイミングは、歯が生え始めたときがおすすめです。
お子さんの歯は個人差がありますが、生後6ヵ月ごろから下の前歯から生え始めます。
乳歯が生えそろってくる1歳くらいから歯科医院に通院し始め、定期的にフッ素塗布を
行うのがいいでしょう。
●フッ素塗布の流れ
まずは歯のクリーニングを行い、歯の表面をフッ素が取り込まれやすい状態に整えます。
むし歯や歯並びなどをチェックし、最後にフッ素を塗布します。フッ素塗布後には、
その働きを引き出すために、30分は飲食やうがいなどお口の中に何か物を入れないように
お願いしています。
フッ素には虫歯予防に高い作用があるとされる反面、人体に悪影響になるとの
意見も耳にすることもあります。そのため、お子さんのこととなると、
その使用をためらってしまうかもしれません。しかし、使用方法を誤らなければ、
フッ素は人体に悪影響を与えることなく、高い虫歯予防の働きを期待できる、
とても頼もしい存在です。分からないことがありましたら、歯科医師、歯科衛生士が
お答えしますので、ぜひ相談してくださいね。