唾液について
あけましておめでとうございます。当院は本日より診療をしております。
引き続きコロナ対策をしっかり行い、皆さんに安心して治療を受けて頂けるよう努力して参ります。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
歯科衛生士のHです。
今回は私たちに当たり前のように存在する唾液についてお話させていただきます。
実は意外な素顔を持っているんですよ!
唾液の正体
1.血液からつくられます
唾液はもともと「血液」です。水分を摂取すると髄液で血液がつくられ、その血液が唾液腺にて唾液へとつくりかえられます。
2.1日1~1.5ℓつくられます
1日のうちでも唾液のでる量は変化していて、特に就寝時に低下します。
3.唾液腺でつくられます
唾液がつくられる唾液腺はお口の中に大小複数存在し、「耳下腺、顎下腺、舌下腺」の3つが3大唾液腺と呼ばれていて、特にたくさん唾液をつくり出しています。
4.多くの成分入っています
唾液の99%以上は水。ですが、残りの1%に様々な成分が含まれています。
お口へのはたらき
1.お口を清潔に保つ
唾液には食べかすや細菌を洗い流してお口を清潔に保つ自浄作用があります。
2.お口の粘膜を守る
唾液のネバネバ成分であるムチン。これには潤滑油として粘膜を保護する作用があります。
3.お口の中を中性に戻す
お口の中はもともと中性のpHですが、飲食をするとpHが酸性に傾きます。唾液中の重炭酸イオンは、お口の中のpHを中性に戻す作用があります。
4.歯を補修する
唾液中に溶け出した歯の成分(リン酸やカルシウム)は、時間をかけて唾液から歯に戻り、歯が補修されていきます。
5.細菌感染から守る
唾液の自浄作用と、IgA、リゾチーム、ラクトフェリンなどによる抗菌作用で、むし歯菌や、歯周病菌などの細菌活動が抑制されます。
6.食べ物をまとめる
細かく噛み砕かれた食べ物を湿らせて食塊にまとめることで飲み込みやすくします。また、食べ物が粘膜にくっつくのを防ぎます。
7.消化を助ける
アミラーゼという消化酵素がデンプンを分解し、消化を助けます。
8.味を感じさせる
食べ物の成分が唾液に溶けることで味を感じやすくなります。
からだへのはたらき
1.感染症を予防する
唾液に含まれる抗菌物質IgAは、細菌やウイルスがからだに侵入するのを防ぐはたらきをします。唾液中にIgAが多いと、風邪やインフルエンザなどの呼吸器疾患にかかりづらくなることがわかっています。
2.食道の粘膜を保護する
お口の粘膜を保護するムチンは同じように食道の粘膜も保護します。
3.胃の粘膜を保護する
成長因子のEGFは、粘膜の保護や修復、胃酸の抑制に関与すると考えられています。
4.消化を助ける
唾液中の消化酵アミラーゼが食べ物の消化を助け、胃や腸の負担を軽減します。
唾液は脱水状態や、持病のお薬の服用、加齢によって減少することがあります。しっかり水分をとり、よく噛み、唾液が出やすくなるようなマッサージを行い唾液の量を増やしましょう。
歯科雑誌nico 2018年6月号より抜粋