口臭の原因はお口の中に!!
口臭の原因はお口の中に!!
こんにちは。歯科衛生士の藤田です。
今回は患者さんからご質問頂く、口臭についてのお話です。
※口臭の大きな原因の一つである舌苔(ぜったい)についての詳細は、2023年12月のブログをご参照ください。
皆さんは自分の口臭が気になったことはありますか。
あるメーカーが全国4700人を対象に口臭ケアに関する意識調査を行ったところ90.6%の人が「自分の口臭が気になったことがある」と回答したそうです。
口臭には「生理的な口臭」と「病的な口臭」があります。
「生理的口臭」
健康な人にも存在するにおい。じつは誰にでも、ある程度の口臭はあります!!
朝起きてあくびとともに息を吐きだしたとき、「あ、口がにおうな」と思ったこと、ありますよね。でもそのあと、朝食を取ったり歯磨きしたりするうちに気にならなくなります。これは「鼻が慣れたから」ではなく、お口の中のにおい物質が唾液や歯磨きで減少しているからです。一日の中で自然に増減するこうした口臭は専門用語で「生理的口臭」と呼ばれています。
唾液には、細菌を洗い流したり、細菌の繁殖を抑えるはたらきがあります。起床時に一番においが強いのは、就寝中は唾液の分泌量が減るので、寝ている間にお口の中で細菌が繁殖することが原因です。
このように口の中の唾液の量は口臭に影響しますので、口呼吸による口の中の乾燥は口臭を強める傾向にあります。
「病的口臭」
強いにおいを持続的に発する口臭は「病的口臭」と呼ばれています。原因は、主にお口の中の環境によるもの(歯周病、むし歯、磨き残し・プラーク、舌の汚れ)と言われています。
★歯周病
歯周病が進行して、歯と歯ぐきの境目が深くなってできる歯周ポケット。歯周病になっているとき、このなかにはプラークや歯石の他に歯ぐきのしんだ細胞(老廃物)や血液、体液(歯ぐきの溝からの滲出液)、そして細菌の代謝物(排泄物)が溜まり強いにおいを発します。
★むし歯
歯の表面のエナメル質はほぼ100%無機質ですが、内部の象牙質は3割ほどタンパク質(コラーゲン)でできています。むし歯が進行するとタンパク質が細菌により分解され、においを出します。ですから象牙質に達するむし歯がそのままだと、口臭の原因に。
★磨き残し・プラーク
溜まったプラークは、むし歯や歯周病の原因になるだけでなく、においの元にもなります。
被せ物と歯ぐきの境目や、プリッジのポンティック(ダミーの歯)と歯ぐきが接するめんもお掃除が行き届かないことが多く、においの元になりやすいです。
★舌の汚れ (詳しくは令和5年のブログを参照してください)
舌の汚れである「舌苔」もにおいの大きな原因です。舌の表面は、じつは微細なひだが無数に存在しており、毛足の長い絨毯のような構造になっています。
ここに新陳代謝ではがれたお口の粘膜の細胞(つまり老廃物)や細菌が付着します。そしてそれがべっとりと厚い層になったものが舌苔です。
口臭の原因は主にお口の中の環境によるものと言われています。
歯の健康の維持・口臭予防のためセルフケアをすると共に、定期的な歯のクリーニングも受けましょう。
(令和元年 nico 12月号参照)