親知らずについて
歯科衛生士の浦です。
今回は『親知らず』についてです。
親知らずって?
親知らずは生えていますか?お口の一番奥に生える歯で、前歯から数えると8番目に位置する第三大臼歯(智歯)を親知らずと呼んでいます。
昔は平均寿命が50歳前後だったので、親知らずが生えてくる20歳前後頃には親が亡くなっている事が多く、親が知ることなく生える歯であった事が由来となったようです。
親知らずがない?
大昔の人は木の実や生肉など硬いものを食べる習慣が一般的であったため、硬いものを噛み砕く力を得るためにあごが大きく発達し、親知らずの生えるスペースができるため正常に生えそろいやすいです。
しかし、現代は食の欧米化がすすみ現代人の顎は小さく退化したとされています。そのため親知らずの生えるスペースが狭くなり斜めや横など正常に生えなかったり、もともと存在しない場合が増えています。
どうして痛くなる?
- 腫れていたい
親知らずが痛む原因としては智歯周囲炎が最も多いです。
親知らずがまっすぐに生えてこないと、前の歯との間にすき間ができ汚れが溜まりやすくなり、それにより細菌が増え炎症が起きることをいいます。
おもな症状は
□歯肉が腫れる
□触れると痛みが生じる
□歯茎から膿が出る
□ものを飲み込む時に痛みが生じる
□開口障害(口をあけにくくなる)
□何もしていなくてもズキズキと鈍い痛みを感じる
などがあります。
- むし歯で痛い
親知らずは一番奥に生えているため、なかなか歯磨きもしにくい場所にあり、虫歯になっているかどうか気づきにくいです。そのため、痛みが出たり、歯が欠けてきたときには、かなり大きな虫歯になっていることが多いです。
治療方法
腫れて炎症がある場合は炎症が起きている場所の洗浄や抗菌薬の服用によって症状を改善できます。治療によって症状が改善しても、繰り返し炎症がおこる場合が多いため抜歯をすすめられる場合もあります。炎症が強く出ている場合は麻酔が効きにくかったりするため炎症が治まるまでは抜歯は行わず、痛み止めや抗菌薬により炎症を抑えることが優先されます。
また重度なむし歯の場合は歯を残しておくことが難しいためその場合も抜歯をすすめています。
一番の予防策は親知らずを抜歯することですが、細菌や汚れがたまらないようにすることも予防につながります。親知らず付近だけでなく口の中全体のケアをしっかり行うことが大切です。またストレスや疲れ、抵抗力の低下なども関係しているので日頃から十分な睡眠時間を確保し栄養バランスを考慮した食事をとるなど免疫力を高める生活習慣を心がけてください。
親知らずが原因で腫れ、痛みがおきることは珍しくありません。
親不知は、生えてきたら早めに歯医者さんでの診断を受ける事をお奨め致します。一度検診にいらしてください!