インプラント周囲炎をご存じですか?
こんにちは。金沢市寺町にある歯医者、川原けんこう歯科医院の院長、 川原 賢功です。
いよいよ金沢も梅雨に入り、じめじめとした季節になりました。
この季節は暑さも同時にやってきますので、熱中症や体調にも気をつけていきたいですね。
今回は、インプラント治療を受けた方や、これからインプラント治療を受けるか検討中の方にも、ぜひ知っておいてほしい「インプラント周囲炎」についてのお話です。
インプラントは、歯を失ってしまった部分を補うために、とても優れた治療法ですが、治療が終わった後、気を抜いていると思わぬトラブルが起こることがあります。
それは、「インプラント周囲炎」です!
進行してしまうと、大切なインプラントが抜け落ちてしまう、なんてことも…
そんなトラブルに見舞われないために、ぜひこの記事に最後まで目を通してみてくださいね。
インプラントの概要はホームページでもご紹介しております!
目次
1.インプラント周囲炎とは
2.インプラント周囲炎の原因はなに?
3.インプラント周囲炎の症状って?
4.予防方法ってある?
5.治療法について
6.まとめ
1.インプラント周囲炎とは
インプラント周囲炎とは、インプラントを支えている骨に起こる炎症性の病気です。
天然の歯でいうと、歯周病に似ています。
インプラント周りにプラークというばい菌の塊が溜まることで発症します。
炎症が歯ぐきだけに留まっている場合は、「インプラント周囲粘膜炎」と呼ばれ、これは早期に適切な処置を行えば、回復することが可能です。
しかし、炎症が歯ぐきから骨にまで広がると、「インプラント周囲炎」となり、骨の吸収が始まります。
骨の吸収が起きてきてしまうと、最悪の場合、インプラントの脱落に繋がってしまうので、より注意深くケアする必要があります。
2.インプラント周囲炎の原因はなに?
1)プラーク(ばい菌のかたまり)
インプラントの周囲にプラークが溜まることで、プラークの中のばい菌が歯ぐきに炎症を引き起こします。初期段階では、「インプラント粘膜炎」という、軽度の炎症ですが、炎症を放置することで、歯ぐきの中の骨に炎症が広がり、「インプラント周囲炎」に進んでしまいます。
2)過剰な噛み合わせ
インプラントに普段から強い力が加わっていると、周囲の歯ぐきや骨がダメージを受けて、炎症の原因となります。
噛み合わせのバランスはとても重要ですので、かかりつけの歯科医院で診てもらいましょう。
3)喫煙や糖尿病など、全身的な問題
喫煙は、血の流れを悪くして、身体によいものの巡りが悪くなるだけでなく、身体に悪いものの排出も妨げられてしまいます。
糖尿病の方は血糖値のコントロールがされていないと、免疫力が低下しやすく、ばい菌に対する抵抗力が低くなり、炎症が起きやすい状態になってしいまいます。
インプラントが不向きな場合とは?知っておくべきポイントはこれ!
3.インプラント周囲炎の症状って?
初期段階では、症状はほとんど自覚できません。むし歯と違って、状態が悪くなっていることに自分で気づくことができないことが、インプラント周囲炎の怖いところです。
しかし、病状が進行していくと、以下のことが起こってきます。
・インプラントの周りの歯ぐきが腫れる
・歯ぐきから出血してくる
・歯ぐきから膿がでてくる
・インプラントが揺れる
・噛むと違和感や痛みがある
上記のような症状が出てきた場合には、すぐにかかりつけの歯科医院を受診しましょう。
4.予防法ってある?
- 毎日のセルフケア
歯ブラシだけでは、インプラントの周りをきれいにすることはできません、歯間ブラシや、デンタルフロス、タフトブラシなど活用しましょう。
インプラントの周りのプラーク(ばい菌のかたまり)をしっかり除去することが大切です。
特に、インプラントと、歯ぐきの境目のところは、汚れが溜まりやすいので、しっかり丁寧なブラッシングをしましょう。
- 定期的なメンテナンス(歯科医院でのプロフェッショナルケア)
3~6ヶ月ごとに歯科医院での定期健診とプロフェッショナルケアを受けることはとても重要です。
インプラント周囲粘膜炎やインプラント周囲炎の状態に自分で気づくことはとても困難で、専門的に学んでいる歯科医師や歯科衛生士に診てもらうことが、早期発見早期治療に繋がっていきます。
また、インプラントの状態だけでなく、、噛み合わせや清掃状態についても、しっかりみてもらいましょう。
- 生活習慣の改善
喫煙や糖尿病のコントロールはインプラントを長く維持するために重要です。
全身の健康状態についても、日ごろから管理しておくことが、お口の健康に繋がります。
5.治療法について
インプラント周囲炎になってしまったらどうしたらよいのでしょうか?
まず軽度の場合は、専門的なクリーニングや抗菌薬の服用などで、ばい菌を減らしてあげることで、状態の改善が見込めます。
中等度以上になっている場合は、外科的な処置は必要になることもあります。
インプラントを支える骨が大きく吸収されていると、インプラントを除去せざるを得ない場合もあるため、早期の対処は重要なポイントとなります。
6.まとめ
インプラント周囲炎はしっかり予防すれば、避けることができるリスクになりますので、安心してください。
ですが、油断は禁物です!
インプラント周囲炎は自分では気が付くことはできません。
気づいた時には進行している、なんてことも…
だからこそ、日々のセルフケアや歯科医院での定期的なチェック、専門的なクリーニングを受けることを忘れずにしましょう!
インプラント治療を受けたからこそ、自分の歯と同じか、それ以上に大切にケアをして、歯を守っていきましょうね。
まずは、健康の入り口として、今日からできることをなにか一つでも取り入れてみてください。
川原けんこう歯科医院 院長 川原 賢功
住所 石川県金沢市寺町1丁目6-38
電話番号 076-241-2250