舌が白い…口臭の元?
こんにちは助手の坂井です。12月に入り、今年も残すところあと一か月となりました。
師走というだけあって、年末はお仕事もプライベートもバタバタと忙しくなりますね。
皆さんも体調を崩さぬよう、楽しい年末年始を過ごしましょう!
当院待合室に今年もクリスマスツリーを飾りました🎄✨
機会がありましたらご覧ください☺
自分自身の口の中を鏡で見たときに、舌の表面が白くなっていた経験はありませんか。
舌の表面に付着しているその白いものの正体は何かというとそれは「舌苔(ぜったい)」です。
文字の通り「舌の上に広がる苔のようなもの」のことを指しています。
実はこの舌苔が口臭の原因の約6割を占めていると言われています。
そこで今回は口臭の原因の一つでもある舌苔と舌苔の除去方法についてお話します。
舌苔(ぜったい)とは
舌の表面に付く細菌のかたまりで、白~黄色っぽい苔状のものを言います。
薄く舌苔があるのは正常ですが、舌苔が厚くなると菌の温床となり、口臭や誤嚥性肺炎の誘因、味覚障害
などの原因となります。
舌苔ができる原因
◎細菌・食べかす
舌の表面には舌乳頭(ぜつにゅうとう)という突起があり、その舌乳頭の隙間に口の中の細菌が入り込んだり
食べかすや、はがれ落ちた細胞などが溜まると舌苔が形成されます。
口の中にいる細菌は舌苔に含まれる食べかすや、はがれ落ちた細胞をエサにして増殖します。
◎口呼吸
口呼吸があると舌苔が形成されやすくなります。口の中はいつも唾液で濡れていますが、口呼吸がある方はすぐに口の中が乾燥してしまいます。汚れは乾燥するとこびりついて取れにくくなってしまうように、口の中が乾燥すると自然に汚れが落ちないために舌苔が形成されます。
◎唾液が少ない
唾液には、食べかすや歯垢を洗い流す自浄作用や口の中の菌の増殖を抑える働きがあります。
ストレスや薬の副作用、全身的な病気、加齢などが原因で唾液の量が減ると口の中の汚れや細菌が舌に
溜まってしまうため舌苔が形成されます。
◎抗生物質
抗生物質やステロイド剤などを長期間服用し続けることで、口の中にいる常在菌の種類が変わってしまうため、
舌苔が形成されることがあります。
◎舌の運動機能の低下
舌の動きが少なくなると舌苔が付きやすくなります。高齢や病気になって舌の機能が低下したり、動きが悪くなると、
より舌の表面の汚れが落ちにくくなるため舌苔が多くなります。
◎舌位が低い
舌の正しい位置は舌の先が上前歯の裏側の少し後ろ側に付いて、舌全体が上顎の天井部分に持ち上がっている状態です。
そのため、舌は常に唾液で潤った状態になり、舌が上顎と擦れ合うことによって、自然と舌表面の汚れが落とされています。
舌が正常な位置にあれば、この自浄作用により舌苔がほとんど付くことはありません。しかし、受け口や口呼吸で舌の位置が
低い方は、舌が上顎と擦れ合っておらず、汚れが落とされないため舌苔が付きやすくなります。
舌苔の除去方法
舌苔は舌の表面の舌乳頭(ぜつにゅうとう)に粘着性を持ち付着するため、水で洗い流しただけでは
取り除けません。舌専用のブラシを使用することが必要になります。
◎ 舌ブラシを使う
舌みがきに使うブラシは専用のブラシを使いましょう。
舌専用のクリーニングジェルを合わせて使うのも良いです。歯みがき粉の使用はおすすめできません✖
歯みがき粉には研磨剤や発泡剤などが配合されており、これらの成分が刺激になって舌を傷つけてしまう恐れがあります。
◎ 鏡を見ながら行う
鏡を見ながら舌を思い切り前に突き出して舌苔が付いているところを確認してください。
舌苔が付いているところだけを掃除します。舌苔が付いていないところは掃除をする必要はありません。
※ブラシなどを口の奥に入れると「おえっ」となる嘔吐反射がある方は、舌を思い切り前に出すのがコツです
◎ ブラシを動かす方向は「舌の奥から手前」に
舌ブラシを舌の奥から手前にやさしくなでるように動かします。
3~5回ほど繰り返すだけで、通常の汚れは十分落とすことができます。(舌苔が多くついている場合は、1回の舌みがきで
落としきれないこともあります。無理に取り除こうとはせずに、数日かけてじっくりきれいにしていきましょう)
ブラシを手前から奥に動かしたり、前後に往復させるのはやめましょう✖
舌苔中の細菌を喉の奥へ送り込んでしまう危険があります。
◎ 強い力でみがかない
舌はとてもデリケートな組織です。舌の粘膜や味を感じる味蕾(みらい)を傷つけないように
軽い力でみがきましょう。
◎ 舌みがきは1日1回
1日に何度も舌をこすると舌の粘膜を傷つけてしまうことがあるため、舌みがきは1日1回を目安に、
舌の汚れが気になるときに行ってください。
朝は舌苔の付着量が多いので、舌みがきは朝行うのがおすすめです。
当院受付でも舌ブラシを販売しておりますので、お気軽にお申し付けください。