小さなお子様のむし歯処置には削る他にも方法があります!
こんにちは!歯科衛生士の吉野です。
今回はむし歯が見つかっても怖がって治療ができないお子様の場合について紹介させて頂きます。
「保育園の歯科検診で子どもの歯にむし歯が見つかった!」
「治療しないといけないけど、歯医者さんにまだ行った事もないし、怖がっている・・・」
普段から歯科医院にお掃除に来ているお子様でもむし歯が見つかって
むし歯の治療が必要になってしまった時に怖がってしまう事は少なくありません。
お子様が治療に不安を感じないように私たちもできるだけ痛くならないように細心の注意を払い、
声掛けを絶えず行っていますが、やはり歯を削る時の独特の“チュイーン!”という
音や振動はお子様にとってはとても怖い・嫌なものです。大人の方でも苦手な方は多いと思います。
当院ではむし歯が見つかって治療が必要だが、お子様が怖がって治療できそうにない場合はサホライドという塗るお薬を使っています。
サホライドというのは商品名で、成分はフッ化ジアンミン銀という銀とフッ素を含んだ化合物です。
強い殺菌作用があり、その力でむし歯菌の働きを止めることができます。
削らずむし歯の所に塗るだけなので、小さなお子様でも治療可能です。
しかし、サホライドでむし歯が治るわけではありません!
サホライドはあくまでもむし歯の進行を抑えるお薬なので、むし歯になった乳歯が抜けるのを待つか、
お子様が治療可能になったら処置をする必要があります。
また、サホライド最大の特徴は塗ったところが黒くなることです。
黒くなるのはむし歯の部分だけです。
ぱっと見は黒い所が増えてむし歯が進行したようにも見えますが、実際はお薬がちゃんと歯の内部まで行き届いている状態です。
乳歯が抜けるまでは黒いままですが、その下から生えてくる永久歯には影響はありませんのでご安心ください。
まれに唇や舌に黒いのが付いてしまうことがありますが、数日~2週間ほどで落ちますのでご安心ください。
ですが服などについてしまった場合は簡単には取れませんので、当院でも塗布の際は注意して行っています。
サホライドは定期的に塗ることが必要とされています。
一度塗るだけでは効果は十分に得られません。
定期的なお薬の塗布と、むし歯が進んでいないかの経過観察が必要です。
そして一番大切なのは、サホライドを塗布してむし歯の進行は抑えられますが、
そもそもむし歯ができたのにはなんらかの原因があるということです。
・お菓子やジュースを好きな時に好きなだけ食べていませんか?
・仕上げ磨きは毎日行えていますか?
・定期的に歯医者さんでフッ素塗布やお掃除をしていますか?
むし歯の原因を解決しない限りは、お口の中の環境は変わらずむし歯はまたできてしまいます。
むし歯にならないように歯科医院で定期的に検診を受けましょう!