歯周病とからだの関係
こんにちは。歯科医師の吉久です。
今回は、歯周病とからだの関係についてお伝えします。
みなさんもテレビやネットなどで耳にしたことがあるのではないでしょうか。
歯周病菌自体が直接的に悪さをすることもあれば、歯周病菌が起こす炎症が引き金となって、全身の病気へと広がっていくこともあります。
歯周病の関与が疑われる主なからだの病気を4つご説明致します。
①糖尿病
歯周病になった歯茎では、炎症が起こっています。
進行した歯周病の場合、そこから炎症物質が体に入り込み、血糖値を低下させるインスリンの働きを邪魔します。
そのため糖尿病が悪化し歯周病が悪化するという負のスパイラルに!!!
②誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎には歯周病菌を含めたお口のたくさんのばい菌が関係すると考えられています。
歯周病になってお口の中にばい菌がいると誤って肺に入り込むばい菌の量も多くなります。
人口呼吸器をお口や鼻から入れているICU患者は、肺炎になるリスクが極めて高いと言われています。人口呼吸器関連性肺炎は、発症すると死亡率がたかいうえ、回復しても入院期間が長引いてしまう事が多いです。
③早産・低体重児出産
早産:妊娠37週未満での出産
低体重児出産:出生時の体重が2500g未満の出産 のことを言います。
歯周病の起こした炎症が体内に出産を促す環境をつくり、歯周病菌が子宮の内部に感染して子宮の収縮を引き起こし、早産を促してしまうことがあります。
④脳梗塞・心筋梗塞
進行した歯周病では、炎症を起こした歯茎からたくさんの歯周病菌が血管に入り込みます。白血球が歯周病菌を食べ、死がいが粥状のかたまりとなって残り、血流を阻害します。破れたかたまりがつまると血栓になります。
脳の血管で起これば脳梗塞、心臓の弁で起これば心筋梗塞に!
歯周病はお口の中だけではなく体にも影響することがわかりました(´;ω;`)
歯周病菌に悪さをさせないために!!!
歯周病は痛みなく進行しますので、気づいたころには悪化していることもあります。
炎症のもとであるプラークとプラークがたまる足場となる歯石がなくなれば、炎症は落ち着いてきます。糖尿病の悪化や早産・低体重児出産の引き金となる炎症性物質の産生も減っていきます。
メンテナンスに定期的に通いながらお口を清潔に保つことが予防につながります!
症状がない方もぜひ一度歯医者さんに足を運び、問題がないか確認してもらうと安心かなと思います!!!
参考文献:Nico 2019年8月号