マイオブレース リーディングフェイスセミナー
マイオブレース勉強会に参加して感じた「これからの矯正治療」の本質
〜歯を並べるだけではなく、“呼吸”と“成長”を診る時代へ〜
先日、静岡県にて、マイオブレースに関する勉強会に参加してきました。
尊敬する塩田先生のセミナーです。
私だけでなく当院のエデュケーターとともに参加してきました。
今回のセミナーは、単なる矯正治療のテクニックを学ぶ場ではなく、「これからの小児矯正は何を目的に行うべきなのか?」という、非常に本質的なテーマに触れる内容でした。
従来の矯正治療は、「歯並びを整えること」に焦点が当たりやすい傾向があります。もちろん、歯列をきれいに整えることは重要です。しかし今回の勉強会では、それだけでは根本的な解決にならないケースが多いこと、そして不正咬合の背景には“呼吸”や“口腔習癖”が大きく関わっていることが繰り返し語られていました。
特に印象的だったのは、
「歯並びは結果であり、原因ではない」
という考え方です。
不正咬合の背景にある「口呼吸」
今回のセミナーでは、不正咬合の根本原因として「口呼吸」が非常に重要視されていました。
口呼吸は単に“口が開いている癖”ではありません。
慢性的な口呼吸は、顔貌、姿勢、筋肉の使い方、顎の成長方向にまで影響を与えると言われています。
例えば、
- 目の下のクマ
- 面長な顔立ち
- 鼻の下が長い
- 下顎が後退して見える
- 唇周囲のシワ
- ぽかん口
- 猫背姿勢
こうした特徴が、口呼吸をしている子どもたちに多く見られるという話がありました。
実際、私たち歯科医療従事者は「歯」だけを見るのではなく、顔全体、姿勢、呼吸の状態、食べ方、飲み込み方などを含めて、子どもの成長発育を診る必要があります。
つまり、矯正治療は単なる「歯の移動」ではなく、
“子どもの成長そのものに関わる医療”
なのだと改めて感じました。
「歯を見る」のではなく、「子ども全体を見る」
今回のセミナーで繰り返し語られていたのが、
「歯だけを見てはいけない」
という塩田先生の言葉でした。
もちろん、レントゲンやセファロ分析などの数値的評価は重要です。
しかし、それだけでは見えない部分があります。
例えば、
- どんな呼吸をしているのか
- 普段、口は閉じているのか
- 舌はどこにあるのか
- 食事はよく噛めているのか
- 姿勢はどうか
- 睡眠の質はどうか
- 集中力に問題はないか
など、生活背景そのものが診断材料になります。
これは非常に共感できる内容でした。
歯並びは、日々の生活習慣や筋機能、呼吸機能の積み重ねによって形成されます。
つまり、歯並びだけを治しても、原因となる習慣が残っていれば、後戻りや新たな問題が起きる可能性があります。
だからこそ、
「なぜその歯並びになったのか?」
を考えることが大切なのだと、改めて実感しました。
成長期だからこそできる「自然な成長誘導」
今回の勉強会では、「自然成長誘導」という考え方も大きなテーマでした。
子どもの成長期には、顎や顔面骨が大きく発育します。
特に5歳〜15歳頃までは、呼吸や舌の位置、口周りの筋肉の使い方によって、顎の成長方向が大きく左右される時期だと言われています。
つまり、この時期に、
- 鼻呼吸
- 正しい舌位
- 正しい飲み込み
- 口唇閉鎖
を身につけることで、顎が本来あるべき方向へ成長しやすくなるのです。
マイオブレース治療は、単に装置で歯を動かすことを目的としているわけではありません。
- 呼吸
- 舌
- 口周りの筋肉
- 飲み込み
- 姿勢
などを総合的に改善し、「正しい成長環境」を作ることを重視しています。
これが従来型の矯正治療との大きな違いだと感じました。
「鼻呼吸」が子どもの未来を変える

今回特に印象的だったのは、“呼吸”の重要性です。
人は1日に何千回も呼吸をしています。
つまり、呼吸は24時間、成長に影響を与え続けています。
もし、その呼吸が口呼吸であれば、
- 舌が下がる
- 上顎が狭くなる
- 下顎が後退する
- 歯並びが悪くなる
- 気道が狭くなる
といった悪循環につながる可能性があります。
逆に、鼻呼吸が安定すると、
- 舌が正しい位置に収まる
- 上顎が正常に発育しやすくなる
- 顔貌バランスが整いやすい
- 睡眠の質向上
- 集中力改善
など、多くの良い影響が期待できます。
歯並びだけでなく、全身の健康や成長発育にも関わるため、鼻呼吸の重要性を保護者の方へ丁寧にお伝えしていく必要があると感じました。
子どもの“やる気”を引き出すことの大切さ
また、技術面だけでなく、患者さんとの関わり方についても多く学びがありました。
特に印象に残ったのは、
「子どもにとって一番好きなお姉さんになりなさい」
という言葉です。
子どもの矯正治療は、装置だけでは成功しません。
- 毎日のトレーニング
- 鼻呼吸の意識
- 口を閉じる習慣
- 正しい姿勢
など、日常生活の積み重ねが非常に重要になります。
だからこそ、
「この人の言うことなら頑張りたい」
と思ってもらえる信頼関係が大切なのだと感じました。
単に「やってね」と指導するだけではなく、
- 好きなスポーツの話
- 学校の話
- 趣味の話
などを通じて、子ども自身のモチベーションを引き出すことの重要性を改めて学びました。
当院が大切にしていること
川原けんこう歯科医院でも、以前からマイオブレースを通じて、
- 鼻呼吸
- 舌の正しい位置
- 口腔習癖改善
- 成長発育へのアプローチ
を大切にしてきました。
今回の勉強会を通じて、その重要性をさらに再認識するとともに、私たち自身もより深く学び続けなければならないと感じています。
歯並びは単なる見た目の問題ではありません。
- 呼吸
- 睡眠
- 姿勢
- 集中力
- 顔貌
- 健康
など、子どもの将来全体に関わる可能性があります。
だからこそ、私たちは「歯を並べること」だけを目的にするのではなく、
“なぜその歯並びになったのか”
を考え、根本原因へアプローチする医療を大切にしていきたいと思っています。
最後に
今回の勉強会を通じて改めて感じたのは、矯正治療は単なる“歯科治療”ではなく、“成長を支える医療”であるということです。
子どもの成長にはタイミングがあります。
特に成長期は、一生に一度しかありません。
その大切な時期に、
- 正しい呼吸
- 正しい舌位
- 正しい筋機能
を身につけることは、将来の健康に大きな意味を持つ可能性があります。
今後も当院では、学びを深めながら、子どもたちの健やかな成長をサポートできる歯科医療を目指していきたいと思います。
ちなみにこの口腔内写真は私の長男の口腔内写真ですが、本当に健やかに育ったなぁ~と喜んでいます。
筋機能矯正と正しい呼吸と睡眠、機能が健康な未来を切り開くとつくづく実感しています。




