子どもの口呼吸が心と体に与える影響とは?
〜お口ぽかんを放っておかないで〜
こんにちは。歯科衛生士の大原です。
先日慰安旅行で高野山へみんなで行ってきました。高野山は寒いとは聞いていましたが予想以上に寒く、金沢も最近は気温が下がって
秋らしくなってきましたが、秋を通り越して冬のような気温でした。それでも来てよかったと思える素敵な場所で、スタッフみんなで体験できた事が嬉しかったです。
今回はとても大切な子供の口呼吸についてです。
口呼吸がなぜ起こるのか、そして体全体にどんな影響を与えるのかを、わかりやすくお話ししていきます。
目次
1.気づいていますか?増えている「お口ぽかん」の子どもたち
2.なぜ口呼吸になるの?その原因とは
3.口呼吸が歯並びに与える影響
4.口呼吸が全身と心に及ぼす影響
5.お家でできるチェックと改善の第一歩
6.お口の機能を育てる新しいアプローチ「MRC矯正」へ
7.まとめ
1.気づいていますか?増えている「お口ぽかん」の子どもたち
お子さんの「ポカン口」、気になったことはありませんか?テレビを見ているとき、勉強中、寝ているとき…
いつの間にかお口が開いてしまっている。
実はそれ、“癖”ではなく身体全体に影響を及ぼすサインかもしれません。
口呼吸は「鼻で呼吸するよりちょっと楽」なように思えますが、
続くことで免疫力の低下、姿勢の崩れ、歯並びの乱れなど、
成長期のお子さんの発達に大きく関わることがわかっています。
そして口呼吸は、歯並びだけでなく全身の健康や心の安定にも深く関係しています。

2.なぜ口呼吸になるの?その原因とは
子どもが口呼吸になる原因はいくつかあります。
・アレルギー性鼻炎や花粉症などによる鼻づまり
・風邪の後などで鼻呼吸のクセがつかない
・姿勢の悪さやスマホの長時間使用による顎の位置のズレ
・柔らかい食事による口まわりの筋力低下
・舌の位置が低い(舌が下に落ちている)
これらの要因が重なると、自然と口が開き、口呼吸が習慣化してしまいます。
特に成長期の子どもは筋肉や骨格が柔らかく、クセがつくとそのまま定着してしまうのです。

3.口呼吸が歯並びに与える影響
口呼吸が続くと、口の中が常に乾いた状態になります。
唇や舌の筋肉がうまく働かなくなり、歯を支える力のバランスが崩れます。
具体的には
・舌が下がる → 上顎が狭くなり、歯が並びきれない
・唇が開いたまま → 前歯が前に出やすくなる
・顎が下がる姿勢 → 顔が長く見える「ロングフェイス」に
つまり、口呼吸は歯並びや顔の形にも影響するのです。
このため、歯並びだけを治しても、呼吸の仕方を直さなければまた歯が動いてしまうこともあります。
4.口呼吸が全身と心に及ぼす影響
口呼吸は、お口だけでなく「体」と「心」にもさまざまな影響を与えます。
①睡眠の質が下がる
口呼吸の子どもは、寝ている間にいびきをかいたり、口を開けて寝ていることが多いです。
十分に酸素を取り込めず、眠りが浅くなり、朝起きても疲れが取れない・集中力が続かないといった症状が出やすくなります。
② 心への影響(集中力・情緒・自律神経)
睡眠の質が下がることで、脳の発達や情緒の安定にも影響が出ます。
脳は眠っている間に記憶を整理し、ホルモンバランスを整える働きをします。
浅い眠りが続くと、成長ホルモンの分泌が乱れたり、脳が十分に休めなくなります。
その結果、
・朝からイライラしやすい
・集中できず、落ち着きがない
・感情のコントロールが難しい
・勉強への意欲が続かない
といった傾向が見られることがあります。
また、常に口呼吸で息が浅くなると、**自律神経(体のリズムを整える神経)**が乱れやすくなります。
自律神経が乱れると、気分のムラ・疲れやすさ・頭痛などにもつながるため、
「なんとなく元気がない」「集中力が続かない」などのサインを見逃さないことが大切です。
③姿勢の悪化
口呼吸をしていると、自然と顎が下がり、頭が前に出た姿勢になります。
この「猫背姿勢」は肩こりや首のこり、全身のバランスの崩れにもつながります。
姿勢が悪いと、呼吸がさらに浅くなり、悪循環に陥ってしまいます。
④免疫力の低下・アレルギーの悪化
鼻には、吸い込んだ空気を加湿・加温・ろ過する大切な機能があります。
口呼吸ではそのフィルター機能が働かないため、ウイルスやホコリが直接喉に入りやすくなります。
その結果、風邪をひきやすい・のどが乾く・アレルギー症状が出やすいなど、体全体に悪影響を与えることがあります。

5.お家でできるチェックと改善の第一歩
「うちの子、もしかして口呼吸かも?」と思ったら、次のチェックをしてみましょう。
✅ テレビを見るとき、口が開いている
✅ 寝ているときに口が開いている・いびきをかく
✅ 食事のときにクチャクチャ音がする
✅ 朝起きてもスッキリしていない
一つでも当てはまる場合は、口呼吸の可能性があります。
改善の第一歩は「鼻呼吸の意識」から
- 呼吸が苦しく感じるほどの鼻づまりがあれば耳鼻科を受診
- 姿勢をまっすぐに保つ
- 「鼻で息をする」「口は閉じる」を意識させる
それでも改善しにくい場合は、お口の筋肉トレーニングを取り入れるのが効果的です。
6.お口の機能を育てる新しいアプローチ「MRC矯正」へ
口呼吸や舌の使い方を根本から改善するために、注目されているのがMRC矯正(筋機能矯正)です。
MRC矯正は、歯を無理に動かすのではなく、お口の筋肉・呼吸・舌の位置を整えることで自然に歯並びを改善する治療法です。
お子さんが自分でマウスピースを使いながらトレーニングを行い、
「鼻で呼吸する」「舌を正しい位置に置く」といった正しいお口の使い方を身につけていきます。
このように、歯並びだけでなく“呼吸”や“心と体の健やかな発達”までサポートできるのが、MRC矯正の大きな特徴です。
7.まとめ
・子どもの「お口ぽかん」は、口呼吸のサイン。
・口呼吸は歯並びだけでなく、睡眠・姿勢・集中力・情緒の安定にも影響する。
・原因は鼻づまりや舌の位置、姿勢などさまざま。
・改善には「鼻呼吸」と「お口の機能トレーニング」が重要。
・MRC矯正は、お口と心の両方の健やかな発達をサポートする新しい治療法。
当院はマイオブレース認定クリニックです。ご興味があればぜひ一度、歯並び無料相談にお越しください。
川原けんこう歯科医院
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